いいこともわるいこともぜんぶ
目の前にあるのはぜんぶ「事実」それだけ。
その目の前に転がっている事実を見つめるこころが
「よい」
「わるい」
と感じる それだけ。
いま目の前に広がる黒く重い事実も
すべての血を吐ききったような鈍く赤錆びた事実も
今、瞳にそう映っている事実も。
そこにあるのは、本当は色の無い「事実」。
今この時点で、目の前に転がっている「事実」の色は
黒魔術の悪い呪いのような色で塗りつぶされているけれど、
ほんとうは無色透明のその事実を
自分の力で鮮やかな赤へと塗り広げれば、
いつか麗しい深紅の薔薇だって描ける。
ただ、目の前にある光を感じない永遠の孤独のように澱んで見える事実でさえ、
自らの手で澱んだ色から鮮やかな色までカンバスに広げていけば、
より鮮やかさが際立つ深みある
人生という大きなカンバスに世界で唯一の
あなた自身の絵が描けることを。
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